2012年12月18日
◆第13回全国勤務医協議会報告
日時: 平成24年11月4日
於:東京
講演 井上幸次 鳥取大学教授より眼科志望者を増加させるために行っている眼科サマーキャンプについての講演があった。キャンプの概要、出席者、内容、参加者の感想・アンケートなどについて説明があった。来年度も開催する予定とのこと。
日本眼科医会報告として、23年度の眼科医会事業報告、全国の新眼科医数調査結果、日本の眼科2012年8号に掲載の「被災地における眼科医療の現状と将来」の紹介、第66回臨床眼科学会で行われたイブニングセミナー「新しい眼科の診療連携システム」についての紹介が行われた。
全国からの提出議題、質問事項とその回答およびディスカッションが行われた。
医療制度 保険制度
眼科勤務医と開業医の比率変化について、ここ数年開業医の増加と勤務医の減少傾向が具体的に示された。診療科別医師数では眼科医H22年はH12年に比べやや増加していることも示された(106.1%)。新眼科医師は年々減少していることも示された。医師数が減少しているのは外科、産婦人科、耳鼻咽喉科であることも資料で示された。
ジェネリック医薬品シェアが平成23年度数量ベースで23.3%、薬価ベースで9.6%であることが示され、年々拡大傾向であるとのこと。
専門医制度
厚生労働省主導による専門医制度見直し問題について。第三者機関による統一認定への方針に対するディスカッションが行われた。眼科学会・医会では現状を維持することが望ましいというスタンスであることが説明された。
診療報酬関係
消費税増税に関する対策、白内障手術点数適正化、アバスチン注射の請求方法、について質問と解説があった。
勤務医労働条件
医療クラークの充実が行われていること、診療報酬改定に伴う勤務医待遇に変化があったか否か、勤務医に対する必要経費など税制優遇措置への動き、インセンティブ手当の可能性、などについて討論が行われた。いずれもいい方向には進んでいることは理解できたが、現時点では各施設により対応に違いがあるようである。インセンティブが行われている施設も存在する。
勤務医と開業医の給与比較も示された。全診療科において法人開業医の収入は勤務医の約二倍、個人開業医の収入は勤務医の約1.6倍であることが示されたが、問題は収入の増加幅が、勤務医では0.1%にとどまるのに対し、法人開業医で0.4%、個人開業医で、5.1%と大きく差があるとのこと。近年の改善策の効果が得られていないのではないかと。詳細については平成23年度調査の報告書がある。
女性医師、コメディカルの接遇について
調査、対策が行われつつあるとのこと。参考資料として日本の眼科2011年度9号1248‐1257が示された。コメディカル講習会の状況調査について説明。
全国各支部の眼科女性医師の会の紹介、女性会員数の変遷について説明があった。
その他、電子カルテ、日本眼科医会の会員区分についての質疑応答などがあった。
2012年12月 5日
◆第43回全国学校保健・学校医大会報告
第43回全国学校保健・学校医大会が熊本市で下記の如く行われました。
日時 平成24年11月10日(土)
会場 ホテル日航熊本
午前の部 第5分科会 『 眼科 』
1. 小学生の視力、屈折、調節機能について小学生の視力、屈折、調節機能について
2. 板書に困難を持つ児童の視機能について
3. 平成23年度名古屋市屈折特別検診のまとめ
― 学校生活において、見え方で援助を必要とする児童の調査
および今後の方策を考える ―
4. 学校におけるヘアバンド禁止は止めるべきである
― 正常に見える眼瞼下垂症も不眠、頭痛、肩こり、冷え性、鬱、
登校拒否、喘息、便秘などの原因になる ―
5. 携帯端末で子供たちの眼球に何が起きているか
6. 外眼部視診で分かること分からないこと
7. 中・高校生の結膜嚢内検出菌の検討
8. 心因性視覚障害に関するアンケート調査について
9. 見る力に発達障害のある児童の支援について
10. 眼科医が発見できる小児心身症
園児、児童の視力について近方視力の重要性と、検診への取り入れの提案。
視力、調節障害のみならず、読字困難、目と手や体の協応不良、追従性・衝動性眼球運動、発達障害などによる見る力に発達障害のある児童に対する眼科医が果たすべき役割や、環境調整、公的支援の体制づくりへの取り組み。
眼瞼下垂症が眼科以外の様々な障害の原因になる可能性のあること。
外眼部視診の意義を認識し、健康教育での重要性を啓蒙していくこと。
心因性視力障害の診断に関する問題や、眼科医が、視力検査や他覚的屈折検査により小児心身症発見の一助になるよう役割を果たすことなどが発表され、活発な質疑応答がなされました。
午後の部 日本医師会長表彰の授賞式、シンポジウム、特別講演
シンポジウムテーマ『 現代の子どもたちの「身体の二極化」について考える 』
~ 運動器検診と小児生活習慣病検診への取り組み ~
基調講演
『 子供の体と運動 』
シンポジウム
1. 『 熊本県における運動器検診への取り組みと課題 』
― 整形外科専門医の立場から ―
2. 『 子どもたちの生活習慣病予防~熊本市生活習慣病予防検診の現状 』
― 小児生活習慣病専門医の立場から ―
3. 『 中学生のこころとからだ 』
― スポーツ指導者の立場から ―
子どもの運動習慣の二極化や、生活習慣の乱れが問題になっている点や成長期にある骨は靭帯や腱にくらべ強度がおとり、外力に弱い軟骨部分が多いことが特徴で、筋・腱は過緊張の状態にある。特にoveruseでおこる障害は、初期の適切な対応が重要である。
運動器検診の体制を確立させ、要精検者の整形外科医による適切な指導、治療体制を築くことが重要であること。
小児生活習慣病予防検診などのスクリーニングが小児肥満とその合併症の予防に有用であること。
運動部活動において最近の子どもたちの意識や価値観の変化、生徒数の減少や顧問指導者の高齢化など、活動を支える環境にも変化がでてきていること。
指導者の子どもの体に対する認識の不足、過熱した勝利至上主義や保護者の過度な期待などがスポーツ障害の発生を助長する要因になっていること。
以上の発表、提案について活発な質疑応答がなされました。
特別講演 『 悩む力 ― 意味への意志について 』
東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授
姜 尚中 先生
2012年11月 6日
◆平成24年度目の愛護デー報告
和歌山市医師会眼科部会との共催にて市民公開講座と緑内障スクリーニング検査を行ないました。
受付は8時からで早朝より賛助会員の各製薬会社の方々により会場と受付の設営をおこないました。連休のためか例年より来場する人は少なく76名でした。
9時からは市民公開講座。黒田会長の挨拶の後、和歌山県立医大眼科の藤田識人先生による「目の様々な不快感」というテーマで講演していただきました。日常の診察でよく経験する身近な愁訴であり、質問も多数あり参加者は熱心に聴いておられました。
10時から緑内障スクリーニング検査。和歌山市医師会眼科部会より遠藤佳子先生と岡本福三恵先生に、きのくに視能訓練士協会より岡由紀子さん、小久保奈津さん、森口ゆみ子さんに出務していただきました。熱心な質問が多く時間をとることが多かったため途中より田村が参加し3人体制で診察を行ないました。みなさまのおかげで今年も予定どおり無事おわりました。どうもありがとうございました。検査結果は表のとおりですが、緑内障の疑いの割が高かったように思われました。
平成24年10月4日 緑内障検診結果
検診者数 74名 A 異常なし 59名 性別 男性 25名 女性 49名 B C 通院中 |
名前 | 所属 | |
---|---|---|
和歌山県眼科医会 | 黒田 純一 | 眼科黒田クリニック |
田村 学 | 田村眼科 | |
遠藤 佳子 | 松田眼科 | |
岡本 福三恵 | 岡本眼科 | |
藤田 識人 | 和歌山県立医科大学 | |
視能訓練士 | 岡 由紀子 | 日赤和歌山医療センター |
森口 ゆみ子 | 眼科松本クリニック | |
小久保 奈津 | 和歌山県立医科大学 | |
器械担当 | 田邊 剛士 | 東和産業(株) |
賛助会員メーカー | 松澤 尚樹 | 大塚製薬(株) |
中安 稔 | 参天製薬(株) | |
西村 得二 | 千寿製薬(株) | |
秋濃 久良 | テイカ製薬(株) | |
田崎 義隆 | 日東メディック(株) | |
山下 智史 | 日本アルコン(株) | |
谷原 康夫 | ノバルティスファーマ | |
金森 貴史 | ファイザー(株) | |
佐々木 研介 | わかもと製薬(株) | |
外園 悠人 | わかもと製薬(株) | |
山下 靖史 | MSD(株) |
2012年11月 3日
◆第36回全国眼科学校医連絡協議会報告
平成24年9月30日(日) 東京グランドホテル 桜の間にて
第36回全国眼科学校医連絡協議会が開催されました。
1. 開会の辞 宇津見 義一 (担当常任理事)
2. 会長挨拶 高野 繁 会長
3. 来賓紹介
4. 来賓挨拶 知念 希和 (文部科学省スポーツ・青少年局
学校健康教育課専門官)
道永 麻里 (日本医師会常任理事)
雪下 國雄 (日本学校保健会専務理事)
吉田 統彦 (衆議院議員)
5.都道府県眼科医会提出議題
1)コンタクトレンズ
2)眼外傷
3)色覚
4)眼科学校検診
5)健康教育
6)斜視・弱視
7)その他
スポーツ等の理由により小学生でのコンタクトレンズ装用者の増加、柔道または
剣道の必修に伴う低裸眼視力者への対応と指導の問題。
色覚検査の実施率の地域によるバラツキ、視力検査でのコンタクトレンズや眼鏡を装用した矯正視力検査が省略されている件や、視力検査のすりぬけによる弱視の発見の遅れの問題。園児の視力検査マニュアルについて、受診勧告の書式や、受診勧告がうまくなされていない問題。
近視進行予防で低濃度アトロピン点眼、近視進行予防眼鏡の件や、LED液晶でのブルーライトの問題。
学校現場での化学実験に用いる保護眼鏡の不足など、多くの問題、要望がなされ、論議されました。
6.本部報告
1)平成23年度事業報告ならびに平成24年度事業計画について
関連団体との連携強化
学校保健の知識の普及と現状の把握
各種教材などの検討・作成
全国眼科学校医連絡協議会の開催
学校保健委員会の開催
2)その他
7.教育講演
テーマ 「学校医の知っておくべき前眼部感染症」
演 者 岡本 茂樹 (医療法人幸友会 岡本眼科クリニック院長)
細菌性結膜疾患、クラミジア性結膜炎、ウイルス性結膜炎(EKC,PCF,
AHC)、コンタクトレンズ合併症としての細菌性角膜炎について講演が
なされました。
8.閉会の辞 山岸 直矢 (担当副会長)
2012年10月16日
◆第一回 奈良県眼科医会 光明会に参加して
参加者は48名で、男性医師11名、女性医師37名、奈良県以外からも10名の参加がありました。
山岸直矢会長の開会のあいさつの後、〈学術に関する講演〉として,関西医科大学 名誉教授 永田眼科 松村美代先生より「開放隅角緑内障の発見」の演題にて、画像診断が進んでも「視神経乳頭を調べてみる」
きっかけをつかむには眼科医の目が必要で、日常診療での視神経乳頭の見方をわかりやすく講演されました。
〈女性医師活性化に関する講演〉として、奈良県立医科大学 教授 緒方奈保子先生より「おんなは欲張り?」の演題にて、皆さん、もっと欲張りになって仕事、結婚、育児をしましょうと仕事を継続しながら、結婚、出産、育児などのハードルの超え方を、ご自身の経験を振り返りながら楽しく講演されました。
途中、軽食でのティータイムをはさみ、テーブル形式で和やかに歓談しながらの会で、男性医師の参加も多かったのが印象的でした。
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