2017年6月30日

◆平成29年へき地検診体験記

坂ノ下眼科 視能訓練士 田ノ岡陽子

 今回私は、田辺市龍神村にて行われたへき地検診に参加しました。吉村利規先生、山本良先生と視能訓練士5名で実施し、私は2回目の参加でした。視能訓練士は3名が視力・眼位・色覚、2名がオートレフを行い、私はオートレフを担当しました。
 龍神では、保育園児から中学生まで293名が対象で、はじめに保育園児の検査を行います。園児が入ってくると会場が一気に賑やかとなり、私の声がかき消される程でした。小学生、中学生へと年齢が上がるにつれて会場が徐々に静かになり、そういった雰囲気の変化に面白みを感じながらの検査でした。オートレフ測定は全員に行い、調節介入をできるだけ少なくするよう声かけに注意し、不安定な姿勢にならないように顎台の調整にも気を付けました。
 視力検査の対象者はオートレフで±1.00D以上(球面、円柱とも)なので、中学生になると視力待ちの列が長くなります。全員のオートレフ測定が終了してからは視力検査待ちの生徒への眼位検査等をして検診全体がスムーズに流れるよう心掛けました。
 今回の検診では、オートレフでは大きな屈折異常はないが、視力(1.0)を確認できない児童、生徒が目立ったようです。レンズ中和法等を使うことがあったようで、集団検診という限られた時間内での検査に難しさがあると思いました
 この日は晴天に恵まれ、地元スタッフの方々の協力もあり無事に検診を終えることがでしました。 
 昨年に屈折異常を指摘され弱視治療を開始している保育園児がおり、この検診が早期発見に有用であることを経験しました。へき地検診から学ぶことはたくさんあるので、これからも積極的に参加し、視能訓練士として地域に貢献できるよう尽力していきたいと思います。

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