2013年11月30日

◆第14回全国勤務医連絡協議会報告

理事  住岡孝吉
日時: 平成25年11月24日 於: 品川

講演
テーマ「これからの専門医制度」 講師:池田康夫 先生

【現在の専門医制度の問題点】
o各学会が独自に専門医制度をつくることができるので、乱立している。
o各学会で認定や更新の基準に差異があり標準化されていない。特に臨床能力本位の認定更新制度になっていない。
o専門医を持っていても公に認められる資格となっていないので、専門医に特別なインセンシティブがあるわけではない。
o患者さんが、専門医のことを必ずしも理解しているとは限らず、そのために患者さんの受診行動に役立っていない。

【専門医の在り方に関する検討会の最終報告】
o各学会ではなく、中立的な第三者機関で行う。
o19の基本領域(外科、内科、眼科など)とサブスペシャルティ領域(消化器外科、循環器内科など)の二段階制とする。
o眼科はサブスペシャリティ領域をつくらない。
o総合診療内科(眼科、耳鼻科、小児科領域の救急などの初期対応は可能)を新たに位置づける。
o広告制度を見直し、中立的第三者機関が認定した専門医のみを広告可能とする。
o第三者機関の財務は専門医認定料や更新料の一部を財源とする。
o現在の学会認定の専門医からの移行措置は検討中である。

【予定】
2016年 臨床研修2年目への研修プログラム提示
2017年 新制度による後期研修開始
2020~2021年 新制度の専門医認定

都道府県眼科医会提出議題

【医療制度、保険制度】
無過失補償制度にはワクチンや産後脳性マヒなどがあるが、白内障術後眼内炎など組み入れることができないか。
【診療報酬関係】
ORTの普及率向上に取り組んでほしい。
白内障併発の網膜剥離や小瞳孔の白内障手術での瞳孔形成術などの術式の同時算定はできないこと。
【勤務医の労働条件】
管理職になると時間外手当がつかないため、忙しくなるほど給料が減る可能性があるため、インセンシティブがあってもいいのではないか。
医療クラークの増員への働きかけについて。
オンコール待機で手当がないことについて。
転勤先により、退職金の算定に不利になる場合があることについて。
【病院体制】
抗VEGF硝子体注射が勤務医の負担を増やしているが、病院と診療所間で地域連携パスなどができないか。奈良県ではパスができている。
【専門医制度】
第三者機関認定専門医制度への移行に際して、日眼や日眼医の会員歴は文言としては条件から外れるが、今後、日眼医が新専門医制度に関わっていけるかが重要課題ではないか。
【新眼科医減少の現状と対策】
研修医への豚眼ウェットラボの呼びかけとその後の食事で眼科入局増加例あり。
【女性医師】
時短勤務について。女性医師は常勤で働きたがっている方が多い。
【日眼医に対して】
眼内炎が頻発したH社眼内レンズ使用の患者さんへの対応について。
【その他】
消費税増税に際し、診療報酬に反映されるべきではないのか
「日本の眼科」の電子化は振り込み用紙があるので無理なこと。
日本眼科医連盟に積極的に加盟してほしいこと。

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