2013年7月 8日

◆平成25年度へき地眼科検診に参加して

眼科松本クリニック 
視能訓練士 森口 ゆみ子

 6月上旬、私は日高川町美山地区の検診を田村学医師と中尾俊也医師、視能訓練士の笠戸さん、上川さんと共に担当しました。美山は和歌山市内からでも車で一時間ほどで着きますが、大きな川が流れ、山々に囲まれた自然豊かな場所でした。
 検診での私たち視能訓練士の業務は、オートレフ、視力検査に加え、今年から医師の了承のもと積極的に眼位検査を行いました。オートレフは、器械近視にならないよう声かけをし、なるべく調節させないように測定しました。
 視力検査での小学生の判定は1.0以上のAが多い印象を受けました。地元の教育委員会の方のお話では、中津地区に比べ美山地区は毎年A判定の率が高いそうです。また近視率が高くなる中学生では、眼鏡やコンタクトレンズを使用する生徒も増えますが、この地域ではコンタクトレンズはまだ誰も使用していないと聞き驚きました。
眼位検査での斜位は、斜位近視や角度が大きければ将来的な眼精疲労や斜視なども考えられるため、角度が小さい場合も記載しました。総評の時、学校側から外斜位の記載が多いとの質問がありましたが、「今の段階では、経過観察で良いでしょう。」と医師からの説明を受け安心されていました。今後は眼位検査においてもガイドラインの必要性があると感じました。
 私は和歌山に来て4年が経ちます。今回初めての場所でのリーダーだったこともありとても緊張しましたが、皆様のお陰で無事終えることができました。このへき地検診への参加は、日常業務とはまた違った気づきもあり、大変有意義な経験です。他県の視能訓練士の友人たちに、和歌山県でのへき地眼科検診のことを話題にすると、他県にはそのような活動がないため非常に興味をもってくれます。これからもこのへき地検診を通じて早期発見ができるよう、少しでも地域医療に貢献できればと思っています。

   ■検診風景

2012年7月 8日

◆平成24年度 へき地学校眼科検診に参加して

和歌山県立医科大学附属病院 視能訓練士 小久保 奈津

検診日、台風に見舞われそうな天気予報で心配していましたが、当日は雨に降られることなく曇り空の1日でした。
 小学生から検査が始まり、オートレフで±1.00D以上または学校の視力検査の値がA以外の子供は視力検査をおこないました。低学年では、視力検査をしなければならない子供は少なく、1人1人ゆっくりと検査がおこなえました。オートレフの値も、遠視、乱視または器械近視の子がほとんどでした。学年が進むにつれ視力検査にくる子供が増え、それに伴いオートレフの値も近視が大多数を占めていきました。
 高学年と中学生が一緒に待っている間は、生徒達の声、学校のチャイムの音や、うぐいすの鳴き声などいろんな音を聞きながら検査をしていました。うぐいすの鳴き声は、日常の外来で検査をしている時には聞くことがないので、中津ののどかさを感じながら検査をすることができました。
 私は検診に参加させてもらうようになってから中津に行く機会が多いのですが、昨年
の台風の影響以来、道路が倒壊したままであり、温泉もまだ出ていないと聞き、1日も早い復興をしてもらいたいと思いました。
20120708-1.jpg

20120708-2.jpg

2011年6月29日

◆へき地学校眼科健診に参加して

山本眼科 視能訓練士 森下 昌彦

 今回の田辺市龍神村の健診は、台風2号の接近という悪天候の中、吉村利規先生、天津寿先生と、視能訓練士5名で行いました。 警報の発令により、中学生を残して途中中止となるハプニングもありましたが、幼児、小学生250名余りの健診を無事終えることができました。 
 今年から視能訓練士の派遣も増員となり、オートレフラクトメーターを使った他覚的屈折検査と視力検査に分かれて測定しました。私自身4回目の参加にもかかわらず、日常の検査業務とは異なる緊張感がありましたが、レフ担当では器械近視にならないように注意し、数値が安定するように努めました。 また龍神のみ行う幼児の測定では、一人が泣くと連鎖反応のように泣き出してしまうという集団健診の難しさがあるので、「○○がみえるかなあ?」と興味が持てる言葉を選びながら常に声かけをし、身長に合わせて踏み台を用いながら短時間で測定できるように心掛けました。 養護教諭の方々の手助けもあり、泣き出す子供もほとんどなくスムーズにできて安堵しました。
 へき地での集団健診は、斜視、弱視などの早期発見にとても有用で、私にとっても有意義な経験をさせていただける貴重な場であり今後も継続して参加したいと考えています。        
現在、和歌山県の視能訓練士は20数名おり、今年からは男性も増え5名となりました。まだまだ他府県に比べ人数は少ないのですが、このような健診を通じて微力ながらも地域医療に貢献できるよう、一致団結していきたいと思います。
20110629-1.jpg20110629-2.jpg

2010年8月27日

◆へき地学校眼科健診に参加して

       日本赤十字社和歌山医療センター 視能訓練士 岡 由紀子

 和歌山県の視能訓練士は、平成15年よりへき地学校眼科健診に参加させていただいています。当初は、初めてのことで不安もいっぱいでしたし、視能訓練士の数も少なく、日程調整等大変でした。しかし、そこで得た経験がとても貴重で、意義あるものであることを実感しました。普段の所属施設での仕事とは違い、他施設の医師のもと、自分たちで健診のセッティングをし、限られた時間内に、多数の児童生徒の視力検査を行うのですが、それには、他スタッフとの協力、また、意思疎通の大切さ、そして迅速な判断が要求されることがあります。現場での即興のチームワークを作り、出来る限り実りある健診にしようと努力することは、とても勉強になります。また、この健診を通して、他施設の医師の方や教育委員会の先生方、各学校の先生方と知り合えたことも大きな喜びでした。
 また、現在でも自家用車以外の交通機関がなく、眼科や眼鏡店に行く機会が少ない地域が存在するということも、参加することにより実感できました。そのため、不適切な眼鏡を装用している児童生徒が少なからず存在し、この健診により、その改善につながることは私たちのやりがいとなっています。
 この健診について、当時の県眼科医会会長、吉村利規先生のご指導のもと、第48回日本視能矯正学会において、発表させていただきました。眼科医会と視能訓練士が協力し、地域医療に貢献できていることを報告できたことは、他の視能訓練士にも興味関心をもっていいただけることができ、視能訓練士の活動の幅を広げることにもつながったと思っています。改めて、このような機会をあたえていただき、感謝申し上げます。
 和歌山の視能訓練士の数も、年々増えています。今後も全員でこの健診に参加させていただきたいと思っています。また、できれば弱視や斜視の早期発見のために、三歳児や保育園児、幼稚園児がこの健診に参加できるようになれば、さらに意義あるものになるのではと考えています。この健診のさらなる発展のために、私たちも日々努力し、また先生方とご一緒できることを楽しみにしています。これからも、和歌山の視能訓練士をよろしく
ご指導いただきますようお願い申し上げます。

2010年7月 8日

◆平成22年度へき地学校検診

本年度のへき地学校眼科検診が下記の日程でおこなわれました。

  5月22日(土)  北山村    北山村立北山中学校体育館

出務医師  岡本 好夫
視能訓練士 小久保 奈津、中瀬 真由美

  5月23日(日)  古座川町   古座川町公民館
出務医師  岡本 好夫、黒田 純一
視能訓練士 小久保 奈津、中瀬 真由美

  5月29日(土)  有田川町   清水文化センター
出務医師  松本 英樹、石川 伸之
視能訓練士 木戸 由美、乙井 あや、小久保 奈津

  6月13日(日)  田辺市龍神  龍神市民センター
出務医師  吉村 利規、山本 良
視能訓練士 梶垣 昌里、西崎 京子、坊作 麻世、清水 範子

  6月19日(土)  日高川町美山 日高川町保健福祉センター
出務医師  榎本 善收
視能訓練士 鈴木 一郎、池永 ひと美

  6月20日(日)  日高川町中津 日高川町立中津小学校
出務医師  田村 学、金川 龍一
視能訓練士 梶垣 昌里、森下 和彦

  6月27日(日)  高野町    高野町立高野山小学校
出務医師  馬場 幸男、中尾 俊也
視能訓練士 岡 由紀子、森口 ゆみ子

 検診はオートレフラクトメーターで屈折検査を行い、視力測定、所持眼鏡の度数を
調べたのち、医師による診察が行われました。
検診後は地元の学校長、養護教諭、教育委員会の方々に事後指導と、質疑応答が行
われました。


検診風景


オートレフラクトメーターによる屈折検査。


視能訓練士による矯正視力検査。


スリットランプが新しくなりました。


検診後に事後指導が行われます。

ホームへ