2010年8月27日

◆へき地学校眼科健診に参加して

       日本赤十字社和歌山医療センター 視能訓練士 岡 由紀子

 和歌山県の視能訓練士は、平成15年よりへき地学校眼科健診に参加させていただいています。当初は、初めてのことで不安もいっぱいでしたし、視能訓練士の数も少なく、日程調整等大変でした。しかし、そこで得た経験がとても貴重で、意義あるものであることを実感しました。普段の所属施設での仕事とは違い、他施設の医師のもと、自分たちで健診のセッティングをし、限られた時間内に、多数の児童生徒の視力検査を行うのですが、それには、他スタッフとの協力、また、意思疎通の大切さ、そして迅速な判断が要求されることがあります。現場での即興のチームワークを作り、出来る限り実りある健診にしようと努力することは、とても勉強になります。また、この健診を通して、他施設の医師の方や教育委員会の先生方、各学校の先生方と知り合えたことも大きな喜びでした。
 また、現在でも自家用車以外の交通機関がなく、眼科や眼鏡店に行く機会が少ない地域が存在するということも、参加することにより実感できました。そのため、不適切な眼鏡を装用している児童生徒が少なからず存在し、この健診により、その改善につながることは私たちのやりがいとなっています。
 この健診について、当時の県眼科医会会長、吉村利規先生のご指導のもと、第48回日本視能矯正学会において、発表させていただきました。眼科医会と視能訓練士が協力し、地域医療に貢献できていることを報告できたことは、他の視能訓練士にも興味関心をもっていいただけることができ、視能訓練士の活動の幅を広げることにもつながったと思っています。改めて、このような機会をあたえていただき、感謝申し上げます。
 和歌山の視能訓練士の数も、年々増えています。今後も全員でこの健診に参加させていただきたいと思っています。また、できれば弱視や斜視の早期発見のために、三歳児や保育園児、幼稚園児がこの健診に参加できるようになれば、さらに意義あるものになるのではと考えています。この健診のさらなる発展のために、私たちも日々努力し、また先生方とご一緒できることを楽しみにしています。これからも、和歌山の視能訓練士をよろしく
ご指導いただきますようお願い申し上げます。

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