2011年12月20日

◆第143回和歌山眼科学会

日時:平成23年12月11日(日)15:00~17:00
場所:ホテルグランヴィア和歌山

[一般講演] 15:00~16:00

1.「退行性下眼瞼内反症手術 LERs advancement」
   ○楫野郁夫 (楫野眼科)


2.「過去5年間の和歌山市における公立幼稚園児視力測定結果」
   ○中尾俊也、黒田純一(和歌山県眼科医会)
    和歌山市教育委員会


3.「黄斑前膜を有した15歳の症例」
   ○藤田識人、雑賀司珠也(和歌山県立医科大学眼科学教室)
    楠本泰子 (楠本眼科)


4.「結膜悪性リンパ腫に合併した周辺部角膜潰瘍」
   ○石川伸之、宮本武、岡田由香、雑賀司珠也(和歌山県立医科大学眼科学教室)


5.「加齢黄斑変性に合併した硝子体出血」
   ○大谷篤史(日赤和歌山医療センター)


[特別講演]16:00~17:00

演題「角膜手術の新しいトレンド」
座長:和歌山県立医科大学 眼科教授 雑賀 司珠也 先生
講師:東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚運動機能医学講座 眼科学教授 
      天野史郎先生
        1986年 東京大学医学部卒業
        1986年 東京大学眼科入局
        1989年 武蔵野赤十字病院眼科
        1995年 ハーバード大学研究員
        1998年 東京大学医学部講師
        2002年 東京大学医学部助教授
        2010年 東京大学医学部教授

角膜手術に新しいトレントが押し寄せています。角膜移植ではこれまでの全層
角膜移植、表層角膜移植に加えて、Deep anterior lamellar keratoplasty(DALK)、
Descemet's stripping automated endothelial keratoplasty (DSAEK)、培養輪
部・口腔粘膜上皮移植などの新しい術式が臨床で広まりつつあります。こうし
た新しい術式に共通するコンセプトとしては、角膜の障害された層・部位のみ
を交換し、機能している層・部位は生かそうというコンセプトです。実際、角
膜障害眼で全層とも障害されている眼はそれほど多くありません。 DALKは内
皮機能は保たれているが実質混濁がある眼を対象に、患者本人のデスメ膜+内皮
のみを残し、ドナー角膜の内皮を除去して移植する術式で、術後の内皮減少が
少ない優れた術式です。 DSAEKは、角膜内皮機能不全眼を対象とした新しい手
術で、これまでの全層角膜移植の欠点であった、大きな術後乱視や屈折誤差を
克服し、良好な術後視機能をもたらす手術として注目されています。培養輪部・
ロ腔粘膜上皮移植は、培養した本人の輪部上皮やロ腔粘膜上皮のシートを瘢痕
性角結膜障害眼に移植する事で、これまでの角膜移植では治癒できなかった眼
の視機能回復を図る術式で、一部の施設で臨床応用されています。さらにはフ
ェムトセカンドレーザーや羊膜などが角膜手術に応用されつつあります。本講
演では、こうした角膜手術の新しいトレントについて詳しくお話したいと思い
ます。

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