2011年11月15日
◆第42回全国学校保健・学校医大会報告
第42回全国学校保健・学校医大会が静岡市で下記の如く行われました。
日時: 平成23年10月29日(土)
会場: ホテルセンチュリー静岡及びホテルアソシア静岡
午前の部 第5分科会 『 眼科 』
1. 幼児、低学年児童のためのじゃんけん視標を使った近方視力チェック
2. 小学生の視力、屈折、調節機能について
3. 治療開始年齢別にみた屈折異常による弱視の治療効果
4. 長野県松本市における園児の視力測定の結果について
5. 3歳児眼科健診と幼稚園児眼科検診
6. 平成22年度学校保健の全国調査
7. 眼科学校医の取り組み方の展望
8. 学校保健から見た小児眼科医療崩壊の防止と対策
9. 先天性外涙嚢瘻の小学校健診における有病率
10. 児童における義眼装用の実態とケアについて
11. 特別支援を必要とする児童生徒のリスクマネージメントについて
12. 京都における先天色覚異常についての取り組み
13. 児童生徒に希望者が多い警察官採用基準の改善について
14. 3次元映像再生装置が眼に及ぼす影響について
園児、児童の視力について近方視力の重要性と、検診への取り入れの提案、
就学前児童の視力検査の意義とその判断基準の妥当性についての課題、
小児眼科医療のためにチームとしての連携の重要性、リスクマネージメント
についての取り組み、色覚異常について学校への指導、個別の相談、対処が
できるために、正しい知識と理解を深めること、3D導入もふまえ今後の
問題点等が論議されました。
午後の部 日本医師会長表彰の授賞式、シンポジウム、特別講演
シンポジウムテーマ『 学校における検診システムの現状と課題』
基調講演
子どもの生活習慣病予防に向けて
~検診の重要性と学校医の役割~
シンポジウム
1. 学校心臓検診における再調査の重要性について
~静岡県医師会の取り組み~
2. 蛋白尿に重点をおいた検尿システム
~静岡県としての提案~
3.静岡県の脊柱側弯症検診の現状と問題点
学校検診は疾病の早期発見、早期治療と同時に健康管理、健康教育
に重要であり、学校医は関連する教員や医療専門職とネットワークを
形成し児童生徒の健康管理、教育の中核的役割がもとめられる。
心臓検診では検診レベルの標準化、結果の総括と再調査が有効であり
交代した検診医への情報提供がひつようなこと。
腎臓検診では蛋白尿に重点をおいたフォローの統一化を図り判定
委員会を設置し受診医療機関や学校にフィードバックすることで、有
所見者の適切な管理、治療を行えるようにすること。
脊柱側弯症検診では、視診のやり方を理解し、まず親、養護教諭
への啓蒙と理解を促し、正しい検診が行われることが重要であること。
以上の発表、提案について活発な質疑応答がなされました。
特別講演 『 21世紀の幸福論 ― ITは人を幸せにするか ― 』
静岡理工科大学理工学部物質生命科学教授
ノースカロライナ州立大学併任教授
志村 史夫 先生